国家試験受験のための民法⑩
意思の不存在と瑕疵ある意思表示
(1)心理留保
内心的効果意思と表示が一致しな
いことを知りながらする意思表示
ABともに内心的効果意思を欠く虚偽のもの
(3)錯誤による意思表示
勘違いがあったため、真意と表示との間に食い違いが生じ
た場合
(4)詐欺による意思表示
相手方をだまして意思表示させること、善意の第三者に対
して取消しの効果を対抗することができない
(5)強迫による意思表示
相手を脅して意思表示させること。善意の第三者に対
して取消しの効果を対抗することができない
制限行為能力者の意思表示
未成年者、成年被後見人、被保佐人および被補助人を制限行為能力者、単独で有効に法律行為をなし得ることを制限されている。
(1)未成年者
法定代理人の同意を必要とする。親権者(父母)いないよ
うな場合は、未成年後見者が選任される。権利を得または
義務免れる行為(負担のない贈与をする。債務の免除を受
ける)また処分をゆるされた財産(小遣い、学費)の処分
行為を受ける場合は法定代理人の同意を必要としない。
(2)成年被後見人(家庭裁判所から後見開始の審判を受けた
者)
日用品の購入等日常生活に関する行為を除いて、全く財産
上の権利能力を認められない)成年後見人の同意を得て行
った行為であっても、自ら行った行為は取消すことができ
る。原則として(日常生活関する行為を除いて)法定代理
人が行わなればならない。
(3)被保佐人
保佐人開始の審判を受けた者、一定の重要な財産上の法律
行為を行うには保佐人の同意が必要。保佐人の同意なくそ
れらの行為を行った場合は取消すことができる。保佐人が
単独で行うことができない行為は、元本の領収、不動産」
その他重要な財産の得喪を目的する行為、相続の承認・放
棄、遺産の分割、短期の期間を超える賃貸借等、家庭裁判
所は保佐人の請求によって保佐人の同意に代わる許可を与
えることができる。(保佐人が被保佐人の利益を害するお
それがないにもかかわらず同意しないとき)保佐人の同意
得ないでしたことは取消すことができる。保佐人は、被保
佐人の行為について法定代理人ではないが、取消権が認め
られている。
(4)被補助人
補助開始の審判を受けた者、補助人が民法第13条の1項
に定められた一定の法律行為をするには、補助人の同意を
要する審判をすることができる。補助人が同意しない場合
は家庭裁判所は許可を与えることができる。同意または許
可なくして行った補助人の行為は取消すことができる。
(5)制限行為能力者の相手方を保護する手段
①相手方の催告権
1カ月以上の相当な期間定めて契約を取消すか追認する
のか確答するよう催告できる。
②未成年者、成年被後見人については、法定代理人対して
催告する。
③被保佐人、被補助人については、本人に対して保佐人・
補助人の追認得るべきことを催告できる。
④催告期間内に確答を発信しない場合は追認したものとみ
なされる。
制限行為能力者の詐術
制限行為能力者が、自分を能力者であると相手方に信じさせるのに詐術を用い、それによって相手方が制限能力者を能力者と信じ
契約を締結した場合は取消すことはできない。保護者同意を得ていると信じさせた場合も同様である。
無効と取消し
(1)無効
・無効とは最初から生じないこと
・当事者が無効であることを知って追認したときは新た
に同一内容の行為をしたものとみなされ、この場合追認
の時から効力が発生する。
・公序良俗や強行規定に違反するものは、当事者が追認し
ても有効とはならない。
(2)取消し
①取消権者
取消しとは、いったん有効に効力を生じた法律行為を最初
から無効とする旨の意思表示、取消すことができるのは制
限行為能力者、瑕疵のある意思表示をした者、その者の法
定代理人
②取消し効果
・取り消された意思表示は最初から無効なものとみなされ
れ、いったん生じた債務は消滅し、すでに履行されてい
る場合には、当事者は受領したものを不当利得として返
還する義務を負う。制限行為能力者は利益を受けている
限度で返還すれば足りる。取消し権は追認することがで
きる時から5年間、行為のときから20年経過すると消
滅する。
③追認
・追認とは、取消すことのできる行為について、その行為
を有効と確定させる意思表示
・追認より取消すことができた行為については、以後、取
消すことができない。
・追認は取消原因に当たる状況が消滅した後になされなけ
ればならない。
・その者が成人に達した後、詐欺・脅迫を受けた者はその
事実が終了した後でなければならない。
期限と条件
(1)期限
・期限とは、契約による法律効果の発生を、到来すること
が確実な事実特約
・期限の到来するまで債務を履行する必要はない。これを
期限の利益という。
・定められた期限と、いつ到来するか不確実な不確定期限
がある。
(2)条件
・契約による法律効果の発生または消滅を実現するかどう
か不確実事実の成否にかかわる特約。
法律効果の発生が実現するかどうか不確実かからせるも
のを停止条件
・法律効果の消滅を実現するかどうか不確実な事実にかか
らせるものを解除条件という。
・故意に条件の成就を妨害したときは、相手方は、条件が
成就したものとみなすことができる。