国家試験受験のための民法⑯
1 分割債務
分割債務には、担保債権としての意味は全くない。
・複数の債権者がある場合、その債務は債務者の数に応じて
分割される。
・当事者間で連帯債務とする旨の特約があるときに生ずる債
権関係。各債務者が全額を支払い義務を負う。
・法律(商法)の規定により連帯債務になる場合がある。
・債務者の数に応じた別個の債務
・連帯債務者一人に無効や取消しの原因があった場合でも、
・他の連帯債務は、他の連帯債務者の債務は影響は受けな
い。
1)連帯債務の効力
①債権者の権利
・連帯債務者は、債権者に対しての全額支払い負う。
②連帯債務者の一人に生じた事由の効力
・一人の債務者に生じた事由が他の連帯債務者に次ぎの
ような影響を与えることがある。
・弁済・代物弁済・供託
Aが全額弁済すれば、他の連帯債務者が債務を免れる
が、Aの負担を超える弁済は、実質的には他人の債務
の弁済となり、他の債務者に対して各自の負担割合に
したがって求償できる。この場合、他の債務者に対し
事前および他の債務者に対し通知することが義務づけ
される。
③履行の請求
・請求を受けなかった他の債務者はAが債務請求を受けた
ときから履行遅滞となるが、時効中断の効力を生ず
る。
④更改
・Aが連帯債務代えて自己所有の建物の所有権移転する債
務負担する契約(更改契約)した場合、他の債務者は
連帯債務を免れる。この場合にもAは他の債務者に対し
て負担部分について求償できる。
⑤相殺
Aが債務者に対し反対債務を持っている場合、Aがこの
債権(反対債権)で債務者相殺した場合も他の債務者
は債務を免れることになるが、この場合もAは他の債務
者対して求償できる。
⑥免除
債権者がAの債務を免除した場合、Aの債務者は他の債
務はAの負担部分について負担を免れる。この場合、A
負担部分除いた金額を他の債務者が連帯して負担する
ことになる。
⑦混同
債務者が死亡し、Aが債務者を相続した場合、この場合
Aの債務は混同により相殺され、他の債務者は債務を免
れるが、それぞれの負担分についてAから求償を受け
る。
⑧時効
債権者の債権に対しAに対する債権の時効が完成した
場合、他の連帯責任者は、A負担部分の債務を免れるが
A負担分以外の金額につ連帯債務負う。
そのほか、債権者がAの債務を猶予した場合は、その効
力が及ばない、またAが債務を承認し時効が中断した場
合でも他の債務者の時効は中断しない。
3 保証債務
(1)保証債務の性質
・保証債務は、債権者と保証人との間の保証契約によっ
て成立する。
・保証契約は書面または電磁気的記録しなければその効
力を生じない。
・保証契約は当事者間の合意のほか書面または電磁気記
録の作成がその成立要件となる。
・保証人になるためには、行為能力を有しかつ弁済能力
のあるものでなければならない。
・主たる債務が不成立ならば保証債務も成立せず、また
主たる債務が弁済や時効等により消滅すれば保証債務
も消滅する
・保証債務は主たる債務が移転すれば、それに伴って移
転する。
・保証債務は、主たる債務が履行されない場合に、初め
て履行されなければならない。
・保証人には催告の抗弁権および検索の抗弁権の2つが
認められている。
*催告の抗弁権
主たる債務者に請求せよと主張できる権利
*検索の抗弁権
債務者に弁済の資力があり、かつ執行が容易である
ことを証明して、まず主たる債務者の財産に執行
せよと主張できる権利
・主たる債務に生じた事由は原則として保証契約に及
ぶ。
・債務の承認による時効中断の効力も保証人に及ぶ。
・保証人はその反対債権をもって、債権者の債権と相殺
できるが、主たる債務者は、保証人に対して有する反
対債権をもって債権者の債権と相殺できない。
・保証人が弁済するときは、弁済の前と後で主たる債務
者通知しなければならない。これを怠ると求償権が制
限される。
(2)連帯保証
・催告の抗弁権、検索の抗弁権が認められない。
連帯保証人が数人いる場合も分別利益が認め
られない。
・連帯保証では保証人に生じたことは主たる債務者
にも効力が及ぶ。
(3)貸金等根保証契約
一定範囲に属する不特定債務を主たる債務者とする
保証
要件
・一定範囲に属する不特定の債務を主たる債務とす
る保証契約(包括根保証契約は禁止)
・主たる債務が金銭貸し渡しまたは手形の割引受け
ることによって負担する債務
・主たる債務に融資に関することが含まれているこ
と。
・保証人が個人であること。保証人が法人である場
合は除かれる。
極度額の定め
・極度額(保証責任の限度額)を定めなければその
効力は生じない。
・極度額の定めは、書面または電磁気記録なければ
効力を生じない。
元本確定期日
・契約で定めていない場合は締結の日から3年を
経過する日
・契約で定めている場合は、契約の日から5年以内
限り有効
