国家試験受験のための商法⑭
その他の商行為に関する商法の規制
〇商行為の委任
・商行為の委任を受けた者(受任者)
は、委任の本旨に反しない範囲内で、委任を受けていない行
為をすることができる。
〇商人の報酬請求権
・民法では、特約で定めないかぎり、契約により他人のために
法律行為や物」の保管を行っても報酬を請求できない。
・商法では、商人が営業の範囲内(広く営業上の利益又は便宜
を図る目的行う一切の行為)他人(商人である必要はない)
のために行う行為に対して報酬を請求できる。
〇商人の利息請求権
・民法上の金銭の消費貸借(お金の貸し借り)では、特約で定
めない限り利息を請求することはできない。
・商法では、商人間において金銭の消費貸借をしたときは、契
約していなくても利息を請求できる。又、建て替えをしたと
きも、建て替え日以降の法定利息を請求できる。
〇契約における質物の処分の許容
・民法では、質権設定者が、質権設定行為又は債務の弁済前の
契約より、債務不履行が発生した場合に、質権者が質物の所
有し又法律の定める方法によらずに任意に売却することを禁
止している。
〇契約による質物の処分の禁止(質流れ)
民法では禁止しているが、商法では、商行為によって生じた質
権を担保するためにした質権には、契約による質物の処分を許
容している。
〇債務の履行の場所
民法では、特定物の引渡しについては、債権が発生した時にそ
の物が存在した場所でおいてしなければなならないとされてい
る。
・商法では、商行為により生じた債務の履行場所は、取引の性
質又当事者の意思表示により定まらないときは、特定物の
引渡しはその行為の時のその物が存在していた場所において
しなければならない。
・特定物以外の債務については、民法では債権者の住所、商法
では債権者の営業所に持参するとされている。
〇2017年改正商法により削除された商行為法の規定
・商事法定利率に関する規定
「商行為によって生じた債務」の法定利率6%とした。
商事消滅時効は、「知った日から5年」「権利行使可能な
時から10年」
・取引時間に関する規定
商法520条(法令または慣習により商人の取引時間の定め
があるときは、その時間内に限り、債務の履行をし、又はそ
の履行の請求することができる。)は削除された。
・有価証券の特則に関する規定
改正民法により、民法の中に有価証券に関する一般規定が設
けられた。